1. 上杉 実はほとんどの週刊誌は、これまで記者クラブを批判したことがなかった。『週刊文春』でも僕が書くまでは、なかなかこの問題を取り上げようとしなかった。

    窪田 雑誌の編集部も記者クラブにお世話になっているから、もちつもたれつで批判できないのでしょう。

    上杉 しかしそんな不健全なことをいつまでもやっていてもしょうがない。ベテランのジャーナリストたちは記者クラブにぶらさがりながら生きてきたので、今後も自らの手で記者クラブを潰すということはないでしょう。

    窪田 この“既得権益”はしつこそうですね。

    上杉 見方を変えれば日本にスピンドクターがいないのは、記者クラブがその代わりを行っているだけのこと。

    窪田 その通りです。記者クラブの中に、“プチスピンドクター”がたくさんいる(笑)。

    上杉 彼らはジャーナリストのフリをしながら、実は権力側のスピンコントロールを無意識に行っているだけ。明確な意識を持っていないからでしょうね。

    窪田 例えば政治家の囲み取材のときに、いきなり「イチローについてどう思いますか?」といったようなことを聞く記者がいる(笑)。あれは無意識に、政治家を逃がしているんでしょうね。

    上杉 政治家や権力者側からすれば、そういった記者は“きちんとコントロールができている”ということになりますから。