1. 監督マドンナ元旦那ガイ・リッチーデビュー当時からこのうるさいMTV上がりというか、マトリックスごっこ的映像を多用してきた男であるが、年を経たら丸くなるどころか、目ざわりな映像遊びをさらにこじらせてしまっていた。映像がちゃかちゃかとやかましいだけでなく、それに合わせるかのような無駄テンポの速い会話は、ストーリー感情移入するのを拒むかのようにいらつかせる。


    なによりもふざけているのが開始20分くらいで「2」製作を露骨に匂わすところ。今回の敵はブラックウッド卿なる黒魔術好きのおじさんなのだが、開始から何分もたたないうちに宿敵モリアーティ教授が顔を隠した状態で登場。ブラックウッド卿よりさらに強い黒幕感を漂わせてしまうのである。ストーリーにもそれほどからまない。作品の序盤から続編の布石がちゃくちゃくと打たれるので、物語自体がスリリングになるはずがないのだ。「シャーロック・ホームズ無難にこの『1』の敵に勝利する予定!」と通告しているようなものだ。で、じっさいにそうなる。ラストで敵をやっつけたホームズ独白する「モリアーティ教授か……のぞむところだ!」だって。バッカじゃねえの? 名探偵ホームズ推理ばんばん的中するけれど、客の推理は少しは外してくれっての。